新木目金 開発秘話?
2011年 02月 21日

アートクレイ倶楽部事務局 吉原です。

皆様、今回事務局からお送りした資料の中に入っていた「新 木目金」講座のチラシをご覧いただけたでしょうか?
そうです!ついに出来たんです!!

金工の世界でも秘伝と言われている技法を銀粘土と銅粘土の組み合わせによって実現しました!
銅粘土が開発された時から夢見た技法。それが「新木目金」技法なんです

正直もっと早くアートクレイ倶楽部の会員の皆様にご紹介出来ると考えていました。
ところが・・・粘土同士の造形は簡単に出来るものの焼成すると「ボロボロ」や「溶けちゃった」など難問関門のオンパレード

なんと構想から完成まで約2年の月日を費やしました。
(お陰で私の目の下に木目模様が・・・)
と決して平坦では無かった技法開発ですがくじけそうになりながらも監修者「三木稔 先生」や技術協力者「井上陽介 先生」の心強いサポートで成しえたと言っても過言ではありません。
両先生本当にありがとうございました

さて、こうして誕生した「新木目金」技法ですが最近、作品を見ていてふと思ったんです。
以前、私自身が疑問に思ったキーワード
「も・く・め・が・ね」ってなんだ?です。
そこで今回技術協力していただいた「井上陽介先生」に質問をしてみました。
「皆さん こんにちは。井上陽介です。

木目金とは今から400年前の江戸時代初期に秋田県から発展した金属の色の違いを利用して木目状の文様を作り出す技法のことです。
この技法は高い技術と長年の経験を持っていないと表現が困難とされています。」

※こちらは井上先生が金工技法で作られた木目金作品です。
なるほど~
誰でも簡単に出来る訳ではないんですね。
では、そんな高等技術の木目金を井上先生が始めたきっかけを教えてください!
「20代の頃、海外留学をしていた時にアメリカ人からこう言われたことがきっかけです。
『日本人なのに木目金を知らないの?』
これを言われた瞬間『絶対出来るようになってやる』と決めたんです。
そこからは毎日勉強です。
この時に学んだことは『本などを読んで得た知識だけでは本当に身に付いたとは言えない。作業の感覚を体が覚えてやっと技法を修得したと言えるんだと。』
また木目金に携わることで修得できた知識と技術によって様々な恩恵を受けました。
科学的な知識はもちろん木目模様を完成させるために必要な繊細な作業。
こうした必要不可欠な知識や技術が自分の中に蓄積されていくことで
いつの間にか自分の技術レベルが大きく上がっていました。
私にとって木目金とは銀と銅という色も価値もまったく違う金属が接合された瞬間に
『銀と銅の宝石』に生まれ変わる魔法の技なんです。
これからもキャストなどの量産品では表現できない木目金技法を使って一点一点の作品に想いを込めて作り続けて行きたいです。」
井上先生
貴重なお話をありがとうございました!
今回講座では、先生が長年研究を重ねてきた金工の木目金技法をアートクレイで表現します。
アートクレイだから出来た「新木目金」講座は
カリキュラムに基づいたテキスト、補足テキストをご用意しています。
会場と日程はこちら!

講師はアートクレイ倶楽部が自信を持ってオススメする講師陣。
知識、技術が学べるので受講したあなたのスキルを上げること間違いなし!です。
まさに新しい伝統の始まり・・・です。
この歴史的な幕開けの瞬間をご一緒に体験しませんか?
「新木目金」講座の申し込みは2月27日(日)午前9時より(※プレミアム会員の方は2月18日(金)よりお申し込みいただけます。)
皆様のご参加を心よりお待ちしております。