思い出の木目金作品 下和稔
2011年 04月 06日
いよいよ、近づいてまいりました「新木目金講座」
僕は名古屋会場の講師を務めさせていただきます。
じつは、木目金という響きには少し懐かしい思い出があります。
その頃まだ学生だった僕は、大学の図書館で1冊の本を見つけました。
いろいろな彫金技法の紹介の中に、美しい木目模様、金属を練りこんだかのような複雑な模様が一枚の金属の板となって、ペンダントやブローチに仕立てられている技法があったのです。
それが今から17、8年前、木目金との出会いです。
技法書には、その手順が写真つきで解説されていました。
決められた課題でもなかったのですが、すぐに机の引き出しの奥に残っていた、銅と銀の板を使って木目金を作りました。
これがその時の木目金です。↓
手本としたのはたった1冊の技法書でしたので、四苦八苦しながら作ったことを覚えています。
そして、この春、縁あって木目金との再会です。
地金での作業を考えると、途方もなかった作業が指先で、しかも机の上だけでできる手軽さは本当に驚きです。
さらに、象嵌や粘土素材ならではの造形法で金属では考えられない表現が加わり、木目金の幅、銀粘土の表現の幅を広げています。
こちらが新木目金の作品です。↓
講座も楽しみですが、講座を修了される方々が、これから銀粘土の世界をどう広げていくのか、その先が今から楽しみです。
ぜひ受講後のその先を見つめて、一緒に授業をつくっていきましょう。
会社に入って何年か後、かの技法書が三木先生の著書と知りました。
不思議な縁があるものです。残念ながら今は絶版のようです。
下 和稔